
ハ イエルフはいにしえからの種族であり、数千年に及ぶ歴史を持つ。人の祖先が洞窟に住まう原始人だった昔から、エルフたちは故郷の島ウルサーンにまばゆい銀 と白亜の大理石でできた壮麗な都市を築いていた。最初に星図を作り世界中の海を航海したのはエルフの学者や探検家だった。ケイオスの軍勢の侵略に対し、最 初に組織的な防衛を行った種族もまたエルフである。このときに始まった戦いは、今日に至るまで続いている。
禍つ神々との戦いの 始まった頃、エルフたちは恐怖、激怒、嫉妬、強欲といった負の感情がケイオスにパワーを与えることに気付いた。それ以来、ハイエルフは自分達の激しい感情 を厳しく押さえ込もうと奮闘し続けている。賢く、分別のある存在であるにも関わらず、エルフというものは皆、野蛮な暴力を振るう可能性を秘めているのだ。 自分達の心のなかの危険かつ予測しがたい側面を抑えるために、ウルサーンの支配者たちは常に強烈な感情をすべて消し去ろうと懸命に努めている。ハイエルフ の社会において、怒りや欲望に身を任せることは、弱みを見せたことになるのだ。この結果、ハイエルフは厳格な訓練や規範に則った生活を送り、調和や均衡、 心の平穏を重んじる生き様をよしとする。
ハイエルフにとって、魔法は血液にも比すべきものだ。数千年にわたって魔法の技を磨き 上げてきたのだから、ウルサーンのメイジ(魔法使い)がこの世界において最高の魔法の使い手だというのも不思議はないだろう。ハイエルフたちは戦闘につい ても考え深く注意を払って学び、これに忍耐と精神修養とが加わって、無双の戦士ともなっている。戦地においてハイエルフの剣士は、優雅にしてしなやか、ひ とたび敵の弱みを見破ったなら、命とりな敵手と化す。
裁きの時代を生き延びようとするなら、ハイエルフは持てる知恵と技のすべ てを必要とするだろう。ウルサーンの支配者である不死鳥王フィヌバールが苦境に陥ったエンパイアを援助するべく精鋭を集めてオールド・ワールドへと出航し たとき、フィヌバールはこれが罠だとは気付いていなかった。不死鳥王とその仲間は、ウルサーンを弱体化させて侵略するという巧妙な計略の駒にされたのだ。 フィヌバールの艦隊が水平線の彼方に消えるやいなや、ウルサーンの島に巨大な影が襲い掛かった。フィヌバールは、自分と仲間が侵略のためにウルサーンを弱 体化させるための巧妙な陰謀の駒であることに気付いていなかった。フィヌバールのロングシップ艦隊が水平線の彼方に消えたと同時に、巨大な影がウルサーン の島を覆った。憎悪に満ちたダークエルフの戦士を乗せたブラック・アークの大艦隊が、父祖伝来の土地を奪い返し、軽蔑すべき親族、ハイエルフを未来永劫滅 ぼそうと、ウルサーンの空を陰らせているのだ。

























